過剰在庫の処分方法はどれがよい?過剰在庫の処分は「早く・高く」が決め手

「過剰在庫で困っているが、どうやって処分したらいいのかがよくわからない」といった悩みをお持ちの企業は、日本全国で本当にたくさんいらっしゃいます。

企業としては、どうしても売れる商品に力を注がざるを得ず、過剰在庫対策は後回しにされているのが現状ではないでしょうか。

しかし過剰在庫は、企業のキャッシュフローを大きく悪化させます。

そこで今回当記事では、過剰在庫対策が少しでも前進するように、「過剰在庫の処分方法」について詳しく解説いたします。これからの過剰在庫対策に、少しでもお役に立てればさいわいです。

過剰庫の処分方法を5つご紹介

過剰庫の処分方法を5つご紹介

冒頭で、「多くの企業は過剰在庫で困っている」とお話しました。しかしほとんどの企業では、過剰在庫がキャッシュフローを悪化させることは、きちんと理解されています。また決算時期に過剰在庫があれば、その分資産計上されて税金が高くなることも、もちろんご存知です。

ただしこれまで、売上アップを第1目標として経営してきているので、在庫処分のノウハウが社内に確立していません。

したがって企業がまず知るべきなのは、過剰在庫の処分方法です。処分方法さえわかれば、過剰在庫対策が大きく前進するのは間違いありません。

今回は5つある処分方法について、ひとつずつわかりやすくご紹介していきます。もし自社に取り入れられそうな方法があれば、ぜひ詳しく調べていただければと思います。

今回ご紹介する方法は、以下の5つです。

  1. 値引き販売
  2. 廃棄する
  3. 買取業者に依頼
  4. 個人向けオークションに出品
  5. 業者間オークションを利用

それではひとつずつ解説していきます。

1.値引き販売

1.値引き販売

在庫処分といえば、「半期に一度の決算大セール!」といった広告を仕掛けて、安さを武器に一般客へ販売する「値引き販売」がもっともポピュラーです。今ではどの企業でも定期的なセールは当たり前になっており、企業も値引き販売を販売手法のひとつとして捉えています。

値下げしてもその分たくさん売れれば、たしかに売上には貢献してくれるでしょう。その代わり、セール以外の時期に売上が下がることも考えられます

またセールを多用すると、「安売りする企業」というイメージが定着してしまうリスクもゼロではありません。値引き販売の実施は、くれぐれも慎重にご検討ください。

2.廃棄する

2.廃棄する

繰り返しになりますが、過剰在庫は棚卸資産です。決算時の段階で大量に残っていれば、その分会社の財産とみなされて課税額が上がります。

商品を廃棄するなど普通に考えればもったいないことですが、売れるかわからない商品を抱えて税金が高くなるよりはマシということで、廃棄処分を選ぶケースも少なくありません。

ただし決算直前の廃棄は、税金逃れとして目をつけられやすいので注意が必要です。できれば「在庫量が◯◯円を超えたら廃棄」「奇数月の確認時に一定量を超えていたら廃棄」というように、明確な社内ルールを決めておくとトラブルを回避しやすくなります。

また社内稟議書・産廃マニフェスト・領収書など、廃棄をおこなった証拠は、きちんと保管しておいてください。税務署の要望時にいつでも提示できるようにしておかないと、課税対象として処理されてしまう可能性があります。

3.買取業者に依頼

3.買取業者に依頼

廃棄ではなく、できれば少しでも利益が欲しいとお考えであれば、買取専門業者に買取りをしてもらう方法もオススメです。

とはいえ、売れる保証のない商品も含めて一括で引き取ってもらいますので、当然引取価格は低めになります。しかし、1回の手間で過剰在庫を一斉に処分できるのは、企業側からすれば非常に便利です。

また「一括買取り」とはいいましたが、やはり買取業者にも得意なジャンルと不得手なジャンルがあります。キャンプグッズならアウトドア専門業者、洋服ならアパレル専門業者のように、できるだけ専門店に買取り依頼するのが、高値で買取りをしてもらうポイントです。

ただし買取業者による買取りは、処分した自社商品がどのように再販されるのかがわかりません。バーゲンセールなどに利用されると、自社ブランドに傷がつくことも考えられます。そういった状況を回避したい場合は、後述する「業者間オークション」がオススメです。

4.個人向けオークションに出品

4.個人向けオークションに出品

取り扱い商品が「B to B(対企業)」向けではなく、「B to C(対個人)」ならば、個人向けオークションに出品するのも悪くない方法だと思います。

ヤフーオークションやモバオク・ebayなど、ビジネスアカウントを開設できるオークションもありますので、企業として大々的に出品が可能です。こういった個人向けオークションサービスはとにかく利用者が多いため、一度認知されれば、安定した販売が期待できるでしょう。

ただし個人向けとなると、どうしても1回に処分できる量が少なくなります。過剰在庫を多量に処分するには、もしかすると少々手間が大きすぎるかもしれません。

5.業者間オークションを利用

5.業者間オークションを利用

過剰在庫の処分方法として今もっともオススメできるのが、この「事業者間オークション」による売却です。

自動車業界ではすでにポピュラーな事業者間オークションですが、現在ではそのほかのジャンルでも、事業者間オークションを利用できる環境が整ってきました。

事業者間オークションでは、登録した企業同士が、Web上で開催されるオークションにて過剰在庫を売買します。適度な競争原理が働くため、取引価格は適正値付近で落札されることがほとんどです。

また「バーゲン品での再販禁止」や「国内での再販禁止」のように、販売制限をかけられますので、自社ブランドイメージを壊す恐れもありません

できるだけ利益を出しつつ在庫を素早く処分したい企業にとって、事業者間オークションはかなりオススメな方法といえます。

まとめ

今回は現在利用できる過剰在庫の処分方法を5つ紹介しました。なかでもある程度の価格を維持できて、ブランドイメージも守れる「事業者間オークション」は、今もっともオススメできる方法のひとつです。

自社に合う方法はどれなのか、今回ご紹介した5つの方法をぜひ詳しく調べていただければと思います。みなさまの過剰在庫対策に、今回の記事が少しでもお役に立てたのならさいわいです。