【過剰在庫の買取】従来の買取ルートと事業者間オークションを比較

ビジネスを展開している企業は、過剰在庫品を一括で買取りしてもらえるルートを必要としています。また合わせて、よい条件での買取仕入れ先も常に探しているものです。

しかし、なかなか条件に合う買取業者が見つからず、なにかよい方法はないかお困りなのが実情ではないでしょうか。

そこで当記事では、売り主・買い主の両面から、過剰在庫の買取方法について詳しく解説していきます。買取りにお悩みの企業様はぜひ参考にしてください。

相対一括売買の欠点とは

相対一括売買の欠点とは

まずは過剰在庫の処分について、解説していきます。これまで過剰在庫を処分する場合、以下に記したいずれかの方法を選ぶしかありませんでした。

  • 既存取引先や一般客への値引きセール
  • 廃棄
  • 買取業者との相対一括売買

過剰在庫が資産に算入され税額がアップするのを防ぐために、企業はなんとしても決算前に過剰在庫を処分したいわけです。よくコマーシャルやチラシで頻繁に「決算セール」が宣伝されるのには、そういった理由があります。

なかでも1回の取引でまとめて過剰在庫を処分できる「買取業者との相対一括売買」は、その効率のよさから、たくさんの企業に利用されてきました。

ただし買取業者への相対一括売却は、その性質上どうしても以下のようなデメリットが発生します。

  • 低い査定額
  • 現行価格への影響

短期間に一括買取りしてもらいますので、売却価格が低くなるのはやむを得ません。しかし再販先の売り方次第で、通常の販売価格に悪影響が出るのは少々問題です。この件につきましては、またのちほど解説します。

事業者間オークション買取メリット【売り主編】

前述のように相対一括売買には大きなデメリットがあります。これからも買取業者の相対一括売買は適度に利用されていきますが、同時に事業者間オークションを利用する企業もどんどん増加していくでしょう。

この章では弊社事業者間オークションを例に、事業者間オークションで過剰在庫を処分するメリットについて、4点ほど解説していきます。

  • 適正な価格で売却できる
  • 販売制限でブランドイメージを守れる
  • 小口取引で1個あたりの取引価格がアップ
  • 随時開催なのですぐに売却できる

それではひとつずつ見ていきましょう。

適正な価格で売却できる

弊社事業者間オークションは、法人・個人事業主問わず「入会金・年会費無料、手数料最大7.5%」と非常に参加へのハードルが低いシステムです。オークションですので、出品した商品を欲しい人同士の自然競争が適度に働き、相対一括売買よりも高値での売却を期待できます

また競りとはいっても、実際に会場で開催されるわけではなく、Web上でのやりとりですべて完結します。したがって商品を会場に運ぶ手間も必要なく、自社から画像・動画・諸データを送るだけで簡単に出品が可能です。

販売制限でブランドイメージを守れる

前述のとおり、買取業者へ一括売却すると、再販先によっては通常の販売価格に悪影響が出る可能性もあります。というのも一旦売却してしまえば、その後の販売方法に干渉する権利がないからです。

かりに売却した在庫品が、安売りの目玉商品にされたら……

自社ブランドに「安売り品」というイメージがついてしまい、今後の価格設定にも悪影響が出るかもしれません。

こういった状況を避けるために、事業者間オークションでは売り主が「販売制限」を設定できます。「店頭での正規販売のみOK」「海外での販売のみ許可」という制限を出せば、ブランドイメージを落とす危険性は回避できるでしょう。

小口取引で1個あたりの取引価格がアップ

事業者間オークションで売却をすると、取引価格がアップする可能性は高くなります

かりに在庫が5,000個あるとしたら、売り主からすれば、1回でぜんぶ売却できた方が手間は少なくて済みます。しかし現実問題として、5,000個もの商品を一括で購入する企業はそう多くありません。

それならば、500個を10社に買ってもらう方が現実的でしょう。売却の手間といっても、自社からPCで出品するだけですので、いうほど手間はかかりません。

いずれにせよ、これまでは過剰在庫を大幅に値引きして引き取ってもらっていました。もし適正価格で確実に売却できるのであれば、これは非常に大きなメリットといえるでしょう。

随時開催なのですぐに売却できる

事業者間オークションでは、システム上に出品されたら、そのつど随時オークションがスタートするしくみになっています。この辺が開催日の決まっている通常のオークションや、競りと違うところです。

随時開催の場合、経験上、待つことなく比較的すぐに売買が決定します。つまりオークション形式により適正価格での売却が可能なうえに、相対一括売却のように素早く過剰在庫を処分できるという、両方のよいとこ取りが狙えるわけです。

ちなみにオークション取引は、事務局を通しておこなわれますので、「代金未払い」や「不良品」「商品が配達されない」といったトラブルは発生しません。安心して利用できます。

このように、これからは「買取業者による相対一括買取り」と「事業者間オークション」を適時上手に使いわけていくようになるでしょう。

既存ルートからの買取仕入れと事業者間オークションの違いとは

既存ルートからの買取仕入れと事業者間オークションの違いとは

今度は買取仕入れについてのお話になります。これまで買取仕入れといえば、「メーカー・代理店・問屋」といった定番ルートを選ぶしかありませんでした。しかし「過剰在庫の事業者間オークション売買」という新しい方法が加わったことで、今後は買取仕入れ方法をうまく使いわける必要があります。

この章では両者の違いを、弊社が運営している事業者間オークションを例に、詳しく解説していきます。

メーカー・代理店・問屋からの買取仕入れ

まずはこれまで主流だった「メーカー・代理店・問屋」からの買取仕入れについて、あらためておさらいをしておきます。

メーカーは自社製品の、「開発・生産・販売」をする企業です。流通の最上流に位置するのがメーカーですので、可能であればメーカーと直接取り引きするのが理想でしょう。ただし通常は、メーカーとの間に代理店や問屋が介在しますので、メーカーとの直取引はなかなか厳しいのが現実です。

代理店と問屋は、似ているようですが意味合いはまったく異なります。代理店はいうなればメーカーの窓口です。メーカーの代わりに営業をおこない、契約が決まればメーカーから手数料が支払われます。

一方で問屋は、メーカーから商品を仕入れて販売します。当然、報酬は手数料ではなく、売却して得た利益です。

またメーカーや代理店と違い多くの問屋は同じジャンルの商品を複数メーカーから仕入れます。したがって、幅広い商品展開を考えている企業にとっては、問屋は非常にありがたい存在といえます。

大量仕入れを強いられる従来の買取方式

前述のとおり、商品を仕入れたいときは、代理店か問屋から購入するケースがほとんどでしょう。

ただし代理店や問屋との取引では、ほとんどの場合最低ロット数が決められています。購入側からすると、「前回は50個仕入れたけど、今回は10個にしよう」といった具合に、自由に購入数を選べるのが理想です。

しかし実際には、「商品の取引には、最低1,000個以上の買取りが必要」というように、ある程度大きな数量以上でないと購入できません。

もちろんなかには1個からでも買取り可能なメーカーもありますし、最低ロット数はメーカーや商品によってまったく異なります。いずれにせよ、経営の負担にならない条件で仕入れができる取引先を探す必要があるでしょう。

事業者間オークション買取のメリット【買い主編】

ここでは事業者間オークションを利用した買取りについて、わかりやすく解説していきます。事業者間オークションで商品を仕入れる場合の主なメリットは、以下の4点です。

  • 適正な価格で購入できる
  • オールジャンルの商品が手に入る
  • 小口買取が可能
  • 個人事業主でも取引できる

ひとつずつ解説していきます。

適正な価格で購入できる

事業者間オークションは、名前のとおり、オークション(競り方式)で商品を売買する方式です。通常競争相手がいますので、自然と落札価格は「適正価格」付近に落ち着きます

一方で問屋などから買取りする場合は、A問屋は6掛け(40%引き)・B問屋では7掛け(30%引き)というように、問屋ごとに掛け率は異なるのが一般的です。とくに付き合いが浅いうちは、信用がありませんから、なかなか値引率を大きくしてはもらえません。

その点、事業者間オークションの仕入れ価格は、変動の少なさが嬉しいところです。

オールジャンルの商品が手に入る

事業者間オークションにもよりますが、弊社の事業者間オークションでは、対象品目の広さが大変喜ばれています。通常はお菓子・家具・家電・調理器具など、それぞれの分野ごとに専門の問屋があり、専門店にいかないとお目当ての商品を仕入れられません。

もちろん、だからこそ「こんなものまで扱っているのか……」というこまかい品揃えを期待できるのですが、幅広い種類を仕入れたい企業にとってはいささか不便です。

その点事業者間オークションでは、新品・中古問わずオールジャンルで商品を取り扱っています。(医薬品と酒類を除く)

PC関係・カーナビ・スポーツ用品・時計・宝石・家具・ゲーム・キャンプ用品など、挙げるとキリがありません。このようなさまざまな種類の商品を1カ所で買取できるのは、非常に便利ではないでしょうか。

小口買取りが可能

前述の通り、メーカーや問屋から買取仕入れをする場合は、最低ロット数が定められています。かりに最低契約ロット数が500個に設定されていれば、100個だけ欲しいメーカーは残念ながら購入できません。

一方事業者間オークションでは、買い手が必要な個数を欲しい単価で入札するしくみになっています。いわゆる「小口買取り」です。

こうすれば買い手は必要な数量だけ買取できますし、売り手も確実に購入してもらえるメリットがあります。売り手にすれば1,000個を1社に売却するよりも、100個を10社に買ってもらう方がはるかに可能性は高く、顧客分散というリスクヘッジにもなるわけです。

個人事業主でも取引できる

個人事業主でも取引ができるのは、事業者間オークションの大きなメリットです。

インフラが整備されてネットショップが大量出店しているのに伴い、仕入れ先を探す個人事業主が激増しました。しかしメーカーや問屋からすれば、個人事業主は企業に比べてどうしても信用が落ちます。個人事業主の場合、メーカーはもとより大手問屋といきなり取引するのは、現実的にほぼ不可能です。

そこで小口取引OKの比較的小規模な問屋と、取引するようになります。しかしこういった問屋での仕入れは、どうしても仕入れ価格が割高です。信用リスクを含めての取引ですから、これはやむを得ないといえるでしょう。

そういった個人事業主に厳しい状況のなかで、参加のハードルが低く、かつ適正価格で買取りができる事業者間オークションは非常に頼もしい存在といえます。

まとめ

今回は過剰在庫の買取りについて、「メーカー・代理店・問屋」と事業者間オークションを比較しながら解説しました。

どちらにもメリット・デメリットはあるものの、おそらく事業者間オークションに新しい魅力を感じられた企業様も多かったと思います。

買取仕入れ・過剰在庫処分、どちらも選択肢が増えるのはよいことです。ぜひ自社に合ったサービスを上手に取り入れていただければと思います。