過剰在庫対策の決定打!過剰在庫が起きる原因と削減する為の対策

「気がつけばいつのまにか在庫が溜まってしまう」

「どうしたら過剰在庫を解消できるのだろうか……」

このように本当に多くの会社が、過剰在庫について悩んでいらっしゃいます。

残念ながら、過剰在庫問題を解決する魔法のような方法はありません。過剰在庫の原因を把握して、原因の解消が可能な対策をとるしかないのです。

今回当記事では、過剰在庫発生の原因とその対策について、わかりやすく解説していきます。過剰在庫でお悩みの企業様はぜひ参考にしてください。

過剰在庫発生の原因

過剰在庫発生のメカニズム

冒頭でもお話しした通り、過剰在庫対策は、「原因を解明して適切な対策をとる」だけの話になります。しかし意外に、この原因解明の段階でつまずいていることが多いものです。この機会に、原因をしっかりと掴んでおきましょう。

過剰在庫が発生する主な原因は以下のとおりです。

  • 適切でない販売計画
  • 季節モノなど在庫が発生しやすい商品を扱っている
  • 在庫管理方法があいまい

主な原因について、ひとつずつ詳しく解説していきます。

適切でない販売計画

いくら現場で適切な仕入れや生産をしていても、過剰在庫が発生してしまう場合も少なくありません。こういったケースでは、「販売・生産計画」が、そもそも適切でない場合がほとんどです。

仕入れ販売・生産販売どちらにしても、企業は欠品による販売ロスを非常に嫌います。ところが、在庫が過剰に増えてもあまり話題には上りません。会社が過剰在庫のロスよりも、売上を重視しているからです。

そうすると、「欠品で怒られるくらいなら在庫しておけばいい。多めに発注しておこう」という考えが、社内の暗黙のルールになってしまいます。

また仕入れ価格を下げるために、大量発注している企業が多いのも原因のひとつです。とくに大規模な店舗展開をしている企業は発注量が膨大ですので、なにかトラブルがあると一気に過剰在庫へ転換する危険性があります。

これからは、「過剰在庫はキャッシュフローを悪化させ税金も増える」というリスクをしっかりと社内で共有する必要があるでしょう。

季節モノなど在庫が発生しやすい商品

エアコンや洋服などの季節商品を多く扱う会社では、オンシーズン中に集中して商品を販売するため、どうしても在庫覚悟で多めに発注をかけることになります。その結果もし在庫になれば、翌シーズンには型落ちとして価値が大幅に減少します。

さらに洋服のように流行が関係する商品や、干支関連・手帳系など再販が不可能な商品は、翌年に販売することすらできません。この場合、過剰在庫はそのまま赤字に直結します。

したがって、こういった在庫の発生しやすい商品や在庫処分ができない商品を扱う企業は、データを駆使した緻密な発注計画が不可欠です。

在庫管理方法があいまい

過剰在庫で悩んでいる会社は、以下のように、在庫管理方法がきちんと決められていない傾向にあります。

  • 保管場所がバラバラ / 整理整頓されていない
  • 手書き伝票で管理している
  • 在庫管理の責任者がいない
  • 発注計画がずさん / 発注と在庫管理がきちんと連動していない

保管場所が整理されていないと、入庫品をとりあえず空いているスペースに搬入せざるを得ません。とりあえず仮置きされた商品が正式な場所に保管されることは、おそらくほとんどないでしょう。そうなると、いざ在庫チェックする際に大きな手間がかかります。

また手書き伝票での管理は、どうしても記入ミスや紛失といったトラブルが頻発しやすいもの。できればバーコードなど、デジタル記録が残る管理システムを導入しておきたいところです。

そして、管理部門と発注部門がうまく連動していないと、ムダな発注が起こりやすくなります。そもそも管理責任者が、はっきりと決まっていない会社も多いのではないでしょうか。

【過剰在庫対策】管理体制の強化

【過剰在庫対策その1】管理体制の強化

過剰在庫発生のメカニズム(原因)が明確になったところで、今度はどうやって改善していけばいいのか、その方法を詳しく解説します。

メインとなる改善方法は、以下の4点です。

  • 倉庫の整理整頓を徹底
  • 在庫管理責任者を選定
  • 在庫状況の共有化
  • 発注計画の見直し

詳しく解説します。

倉庫の整理整頓を徹底

前述のとおり倉庫が汚いと、通路や空いたスペースに仮置きが多くなります。一度仮置きされれば、あらためて移動するケースの方が少ないでしょう。

商品の管理は、商品を大枠に分類し、そのあとで中・小とこまかく保管場所を決めていくのがセオリーです。「その枠内には関係ない種類の商品は置かない」と徹底するだけでも、だいぶ管理はやりやすくなります。

こまかい話になりますが、保管する商品名や区分が書かれた看板やシールを、通路や壁に表示するのも有効です。もちろん、棚やコンテナ・ボックスにもきちんと種類を表示して、それ以外は決して置かないように徹底してください。

在庫管理責任者を選定

もし現段階で在庫管理を手書きでおこなっているならば、できるだけ早くデジタル管理に切り替えるべきです。そしてその管理システムを統括する「管理責任者」をきちんと決めてください。

在庫管理の精度を上げるには、まず管理業務を誰がやってもできるように「標準化」しなくてはなりません。ルールを決めて、ルールを厳守することで、はじめて管理の品質が均一化されるのです。

ただしそのためには、経営目標を経営陣と共有できて、かつシステムの管理能力をもつ責任者の存在が不可欠です。間違っても権限のない現場員を、名前だけの責任者にすることのないよう、注意しましょう。

在庫状況の共有化

前述のとおり、在庫状況は会社全体の財務状況にかかわってくる重要事項です。したがって、経営陣・在庫管理部門・経理部門・製造部門・販売部門とすべての部署で、在庫状況を共有しなくてはなりません

ただし手書きで在庫管理をすると、在庫状況の共有が非常に困難です。これからは、以下のような機能をもった「在庫管理専用のクラウド型ソフト」で管理するのが、基本になるでしょう。

  • 入出庫検品
  • 返品対応
  • 出荷履歴のリアルタイム確認
  • 倉庫別、商品別、管理状況リアルタイム検索
  • 棚卸対応
  • 在庫発生分析

共有という意味では、最低限スマホやタブレットで、いつでもすぐに在庫を確認できるようにはしておきたいものです。こういったクラウド型の管理ソフトがあれば、商談中にリアルタイムで在庫を確認することも可能になります。

共有化で得られる会社のメリットは、非常に大きいのではないでしょうか。

発注計画の見直し

これまでデータにもとづく予測ではなく、「勘」による発注がなされるケースもよくありました。在庫を増やすよりも欠品で売り損ねる方が問題視される状況では、どうしても発注量は多く計画される傾向にあります。

しかしこれからは、データにもとづき「適正在庫」をできるだけキープしていくことが求められるでしょう。

適正在庫は、安全在庫(欠品を防ぐ最低限の在庫)とサイクル在庫(1回に発注する量の半分)を合計した数値です。季節ごと・月ごと・休み前後などで、どのように出荷量が変化するのか、データによる数値化が大前提となります。

また在庫管理をデジタル化して、在庫量をきちんと把握できるようになると、あまり売上の高くないこまかい商品群を「定量発注方式」に切り替えられます。

一定量なくなると自動的に定量を発注するので、発注に対する手間が大きく軽減されるでしょう。その分、主力商品の発注に注力できます。

まとめ

過剰在庫の対策は、ひとことでいえば、「原因を解明して適切な対策をとる」しかありません。

当記事では、過剰在庫が発生する原因と解消方法についてわかりやすく解説してきました。どの項目も重要ですが、まずやるべきことは、在庫管理の責任者を決定することです。

責任者とともに、一日でも早く在庫管理対策を進めていただければと思います。

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